バンコクで賃貸物件を借りる際、入居者が確認すべきなのは部屋の状態や契約内容ですが、実際にはオーナー側の事情が予想外のトラブルを引き起こすことがあります。今回は、オーナーの離婚に伴う名義変更をきっかけに、退去時のデポジット返金が滞ってしまった実例をご紹介します。

コンドミニアムでは、売却や相続などにより所有者が変わることは珍しくありません。また、名義変更後も良心的なオーナーのままというケースが多く、名義変更そのものが問題になるわけではありません。しかし今回のケースでは、離婚という私的事情により所有者が元夫へ変更された結果、大きな問題へと発展してしまいました。

元のオーナーはタイ人女性で、不具合対応も迅速かつ丁寧な非常に良心的な方でした。しかしある日、コンドミニアムの所有者が奥様から旦那様へ名義変更されることになりました。名義変更の理由については共有されておらず、私たちも詳細は知りませんでした。

名義変更に伴い入居者とオーナーとの賃貸契約書も新たに作成し直す必要があります。当社では新しい契約書を準備し、新オーナーへ署名を依頼しました。しかし、新オーナーからは何かと理由を付けられ契約書へのサインを最後まで得ることができませんでした。サインが得られない場合、契約更新の合意そのものが成立しないため後々トラブルに発展する可能性が高くなります。そのため当社では次回の契約更新は行わず、別の物件へご移動されることを入居者へご提案していました。

その後、退去日までは特に大きな問題はありませんでした。状況が一変したのは、退去チェックを行った時です

新しい男性オーナーから、以下の複数の「ダメージ箇所」を指摘されました。

  • 寝室クローゼットの鏡の欠陥
  • キッチンシンクのシミ
  • フローリングの小さな凹凸
  • 寝室壁紙の傷
  • ベッドカバーの破れ

クローゼットの鏡

シンクのシミ

フローリングの凹凸

壁紙の傷

ベッドカバーの破れ

当社は、修繕が必要と判断した鏡の欠陥について、専門業者を手配し修復を実施しました。丁寧な作業により問題箇所は適切に修復され、鏡の修理費用は合計2,500バーツとなりました。こちらの費用は当社が負担しています。

鏡は丁寧に修復され、元通りの美しい仕上がりになりました

鏡の修理費2,500バーツ

一方、その他の項目は一般的な賃貸では“自然損耗”として扱われるもので、通常デポジットから差し引かれる内容ではありません。鏡の修復も無事完了しあとは返金手続きに進むだけ、本来であればこの時点で問題は解決するはずでした。しかし、鏡の修繕を行うまでは連絡が取れていた新オーナーが、修繕後を境に突然すべての連絡を絶ち電話もメッセージも一切返ってこなくなりました。追加で請求したい箇所があるのであればオーナーから見積書の提示が必要ですがそれもありません。見積もりが出なければ保険会社も対応できず、こちらとしては交渉の糸口すら掴めない完全な行き詰まりとなりました。

旧オーナーである奥様にも状況確認を行ったところ、そこで初めてすでに離婚していることが判明しました。さらに「離婚が裁判に発展しており、元夫とは弁護士を通さないと連絡が取れない」とのことで、第三者からの働きかけも完全に不可能な状況でした。入居者にも当社にも一切の非はなく、誠実に手続きを進めていたにもかかわらずオーナー側の私的事情によってデポジット返金が完全に止まってしまったのです。

後になって振り返ると新オーナーが契約書へのサインを拒んでいたのも、意図的に契約関係をあいまいな状態にしておくための行動だった可能性が高いと当社では考えています。契約書に新オーナー署名がない状態では、タイの消費者生活センター(OCPB)にも正式な相談として持ち込むことができません。実際、バンコクの賃貸市場では、契約書の不備を利用して責任回避や返金逃れを行うオーナーが存在することもあり、今回のケースもそれに近い手口であったと推測されます。

当社すずき不動産では、入居者に不利益が生じないよう デポジット92,000バーツを全額立て替え、入居者に返金いたしました。入居者がオーナーの事情によって損をする理由はどこにもありません。しかし、現実としてどうにもならない案件が存在するのもまた事実です。

当社は入居者を守るために、最後まで責任を持って対応することを重視しています。バンコクの賃貸はオーナーごとの対応差が大きく、物件の外観だけでは判断できないリスクもあります。そのため、万が一のトラブルにも強い不動産会社を選ぶことが、結果的に安心した生活につながります。

こうした背景から、当社では悪質な対応を行うオーナーの被害を未然に防ぐ仕組みを整えています。過去に理不尽な請求や返金拒否があったオーナーは「NGオーナー」として社内データベースに登録し、その物件は人気があっても一切お客様へ紹介しません。他社ではこの情報を持っていないケースも多く、同じオーナーによるトラブルが繰り返される原因にもなっています。

さらに退去時に不当なダメージ請求やデポジット返金拒否があった場合は、当社が全額を負担する体制を用意しています。ご入居中のトラブルについても同様で、電子レンジが突然故障したり、入居時に渡された古いキーカードが途中で使えなくなったりと、本来であればオーナー側が対応すべき内容で不当な請求が発生した場合も、費用は当社が負担します。お客様が不安や負担を感じないよう、日常の細かな部分までサポートを行っています。

ご入居からご退去まで、すずき不動産でご契約いただいたお客様には、安心して生活していただけるよう継続的に寄り添うことを大切にしています。今後もNGオーナー情報を蓄積し、同様のトラブルを未然に防ぐ取り組みを続けてまいります。

何かあった場合も、すずき不動産が責任を持って対応します。バンコクで安心して物件をお探しの方は、ぜひご相談ください。