今回ご紹介するのは、バンコクのコンドミニアムで実際に発生した、室内でのゴルフの素振りが原因となった深刻な水漏れ事故の事例です。一見すると些細な行動が、建物全体にまで影響を及ぼす大きなトラブルへと発展しました。事故の発端は、入居者が室内でゴルフクラブの素振りをしていたことでした。スイング中にクラブが手から抜け落ち、そのまま天井に設置されていたスプリンクラーヘッドに接触し物理的に破損。そしてスプリンクラーの配管から大量の水が噴き出し続ける状態となりました。
天井の壊れたスプリンクラーヘッド
スプリンクラーは本来、火災時の消火を目的とした設備であり、1分間に約100リットルもの水を放出する設計になっています。これはわずか2分で一般的な浴槽1杯分の水量に相当します。このため、実際の状況はシャワーのように水が噴き出すのではなく、天井から滝のように大量の水が落ち続ける状態となります。
さらに厄介なのが、スプリンクラーの管理構造です。スプリンクラーは各部屋ごとに個別管理されているものではなく、階単位、あるいは建物全体で一括管理されています。そのため、破損が発生しても室内側で簡単に止水することはできず、管理側が止水弁を操作できたとしても、配管内に残っている水がすべて排出されるまで水は止まりません。
今回のケースでは、実際に止水されるまでにどの程度の時間を要したのか正確な記録は残っていません。しかし、仮に早く対応できたとしても10分程度かかったと考えると、浴槽約5杯分もの水が室内に降り注いだ計算になります。この膨大な水量が短時間で床一面を覆い被害を拡大させた大きな要因となりました。
さらに問題を深刻化させたのが、タイのコンドミニアム特有の構造です。玄関や共用廊下にほとんど段差がないフラット設計のため、室内に溢れた水は行き場を失い、そのまま共用廊下へ流出。最終的にはエレベーターホールまで水が達し、設備全体に甚大な影響を及ぼしました。
この物件には居住者用エレベーターが3基ありましたが、すべてが浸水により故障。結果としてこの物件の全入居者は居住用エレベーターを一切使用できなくなり、貨物用エレベーター1台のみで生活する状況に追い込まれました。修理期間は約2〜3週間。この間、朝夕の通勤・帰宅時間帯には長蛇の列ができ、物件全体の生活環境に大きな支障をきたしました。
幸いにも、建物およびエレベーターの修理費用については、コンドミニアムの管理事務所が加入していた保険で対応することができました。しかし、次回以降の保険料が値上がりする可能性があったため、その増額分については入居者が負担することで双方合意に至っています。
ゴルフ好きの方の中には、「室内で軽く素振りをしてテーブルにぶつけてしまった」といった話を聞いたことがあるかもしれません。しかし今回のように、一つの不注意が建物全体に被害を及ぼすケースも決して他人事ではありません。
バンコクにはゴルフを楽しむ日本人の方も多く、最近では、打ちっぱなし施設併設、ゴルフシミュレーター完備、パター練習場付きといった、居住者が無料で利用できる設備を備えた物件も増えています。バンコクで安全・快適にゴルフライフを楽しみたい方、また物件選びで失敗したくない方は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。トラブル事例を熟知したスタッフが、安心できる住まい選びを全力でサポートいたします。








